ヒシの実

ヒシの実のトゲ
ヒシの実のトゲ
ヒシの実
ヒシの実

オニビシの実です。友人が茹でた実を持ってきてくれたので、早速晩酌で頂いてみました。ヒシの実には恐ろしいほどの危険なトゲがあり、しかも非常に堅い。中の果肉を取り出すためにはハサミやナイフのような道具と、ちょっとしたコツが必要です。爪を痛めながらも何とか中身を取り出しました。

こちらがヒシの果肉です。

殻と果肉
殻と果肉
果肉
果肉

食感はゆで栗に似ていますが、淡泊な感じ。味はゆで栗ほど甘くないです。ナッツのように食べられるのでビールのおつまみにはちょうどいい感じです。

水草のヒシは在来種で、昔から庶民の食材とされてきました。池や沼には場所によって大量発生が見られ、繁茂しすぎて問題が起こっているところもあると聞きますが、それを食べる習慣は無くなりつつあるようです。

ヒシ
ヒシ

君がため 浮沼の池の菱つむと わが染めし袖 濡れにけるかも
柿本人麻呂歌集(巻7-1249)


いとしい方のために浮沼の池の菱の実をつもうとして、私の色染めにした袖は濡れてしまったことよ。

万葉では袖にツユクサなどの花を摺り付けて色染めすることがおしゃれだったのでしょう。でも、そうやって染めた色は褪せやすいし、水に浸かれば落ちてしまう。でも、それでも好きな人にヒシを食べさせたいと、袖を濡らしながらヒシを採る妻。それを食べる夫は味覚では表せないよな幸せな食事をしたのだろうな、、、と想像しながら、羨ましいような、怖いような、複雑な気持ちで飲む今日のビールでした。
ちなみに、万葉の時代のお酒はみりんに近いものだったらしいです。

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