やまなし
宮沢賢治が描いた美しい谷川の底での物語「やまなし」をテーマにした帯です。やまなしはヤマリンゴ、オオズミとも呼ばれていて日本ナシのルーツのようなものです。
太鼓の柄は五月の光景で、明るい陽射しにより波からとどく光の網が美しくのびたりちぢんだりしている様子を表現しました。上部には樺の花びら(おそらく山桜の花びら)が流れています。たれには、やがてカワセミに捕られてしまう川魚を描きました。
前の柄は、関東腹(関東巻きのとき出る柄)には,やはり五月の光景で沢蟹のの父と兄弟を、関西腹(関西巻きのとき出る柄)には十二月の光景で、月光の下、やまなしが落ちたときの様子を表現しました。物語の世界がこの帯に凝縮されています。
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