椿
万葉表記:椿、海石榴、都婆伎、都婆吉
河の上(へ)の つらつら椿 つらつらに 見れども飽(あ)かず 巨勢(こせ)の春野は
春日老(かすがのおゆ)(巻-56)
川のほとりにつらなって咲いている椿は、つらつらとしていくら見ても飽きることはない。本当に素晴らしい眺めだ、巨勢の春野は
「つらつら椿」は連なり咲いている椿の花の様子を表しています。
ツバキは「厚葉木(あつばき)」「艶葉木(つやばき)」が語源となったとされます。また、ツバキは木へんに春と書きますが、これは日本で生まれた文字で、古くから春を代表する植物であったことがうかがえます。「葉広真椿(はびろまつばき)」と呼ばれる艶やかな常緑の葉は、古代より悪鬼を払う呪術性を持つとされ、神聖な木とみなされてきました。
帯では「つらつら~つらつら~」という歌のリズムを表現するため、六角形に花と葉っぱ、蕾を配置してつらなって咲く椿の花の様子を表現しました。
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