生命の樹
生命の樹は世界の中心、宇宙の中心にそびえる想像上の樹のことです。日本ではあまりなじみのない言葉ですが、命を育む母なる樹として、古い時代から多く民族に語り継がれてきました。
創世記のエデンの園にある「生命の木」「知恵の木」はよく知られていますが、北欧のユグドラシル、ペルシャのサエーナ樹、ギリシャ神話に出てくるヘスペリデスの黄金のリンゴなど、民族の樹木崇拝や、その地の風土のもと、ナツメヤシ、イチジク、トネリコ、リンゴなど、様々な種類の木に託され、宗教、神話、伝説、あるいは絵画、布、彫刻物として散見できます。
生命の樹は万物の根源的な生命、人間を含め、生きとし生けるものすべての命と、その世界観、宇宙観を象徴的に現した聖なる樹といえます。
この帯は、画家クリムトの作品に「生命の樹(ストクレ邸のフリーズ)」を発見し、それに心奪われ、啓発されてデザインしました。いわば「オマージュ・クリムト」の副題がつく生命の樹です。
枝の先にあるのは、花とつぼみのようであり、葡萄の実にも見えたり、見る人の想像でかまいません。鳥は頭に冠をのせた聖なるハトを表しています。タレの部分、樹の幹の両側には「ローズ・オブ・ジェリコ(復活草)」があります。ヘビが土から頭と尻尾を出して口を開けています。聖なる樹にふさわしくなるよう配色に気を配りました。
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