橘とホトトギス
我が宿の花橘を霍公鳥来鳴き響めて本に散らしつ
大伴村上(巻8-1493)
わが家の庭の橘にホトトギスが飛んで来て、鳴く声高く響かせて花を根元に散らしたよ
ホトトギスの聞きなしに「トッキョキョカキョク」がありますが、それと同じように「ホトトギ」と昔の人が聞きなしたことからその名がついたと言われています。また、「ホト」「トギ」と即応するように雌雄が呼びあっているようにも捉えられ、恋人を慕う想いが込められました。
また、「ホト」「トキ」「ス」から、「ほとんど時は過ぎる」すなわち「古(いにしえ)」と結びつけて詠まれたりします。
万葉びとはほととぎすの声になつかしい人を思い出し、恋人を思い浮かべたようです。
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