ロゼットに雪
冬のわずかな陽の光を少しでも受けるために、そして、冷たい北風をさけるために、葉っぱを平べったく地面にはりつけ重ならないように八方に延ばす野草のかたちを「ロゼット」といいます。冬を越すための植物の知恵です。よく見るととっても可愛らしくて綺麗です。
ある冬の日、郊外の野を散歩していると、ちょっと紫がかった平らな雲の上から雪がハラハラと舞い降りてきました。雪は地面に落ちるとすぐに消えてなくなりますが、そこにはナズナやたんぽぽなどのロゼットがひっそりと花のような葉を広げてたたずんでいました。
昔の人は雪の結晶を「雪華」「六出」などと呼んで花にたとえましたが、野のロゼットもまるで雪の結晶のように美しい。雪華とロゼット、どちらも冬の華ですね。
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