薺(なずな)
ナズナは生命力の強い植物です。どこにでも生え、冬まだ寒い時期から花を咲かせます。春の七草に数えられるのは、そのパワーをからだに取り入れるという意味合いもあるのかも知れません。
一見、雑草のように扱われてしまうナズナですが、よく見るとなかなか味わいのある植物です。越冬するときの姿(ロゼット葉)は大変美しく、とりよろふのデザインにはしばしば登場させています。
「思わず撫でたいほど可愛い花」ということから「撫菜」となり、いつしか「ナズナ」と呼ばれるようになったといわれますが、なるほど、小さな四弁の白い花をカンムリのようにのせ、たくさんのハート形の果実をつける様はなんとも可愛らしいです。群生する花を見ていると、きらめく無数の星々に見えてきます。
よく見れば薺花さく垣ねかな 芭蕉
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