風の音符
たんぽぽは蒲公英と書きます。和名は鼓草(つづみぐさ)。花のかたちが鼓面に似ていることが由来です。鼓の音は「タン ポン ポン」と鳴りますが、そこから「タンポポ」の名がついたといわれます。ロゼットで冬を越すたんぽぽですが、早春になると待ちわびたかのように、すぐに可愛い花を咲かせます。花が終わると花の枝は一旦地面につくように折れ曲がり種を育てるのですが、種が実ると、枝はもう一度立ち上がって、前よりももっと高く伸びて綿毛を開きます。すうっと伸びた姿にけなげさを感じると同時に、力強さを感じるのは、そんなたんぽぽの生命力からなのでしょう。
日本中どこにでもあるポピュラーな植物ですが、花の根元を包んでいる萼(実際には苞といいます)が反り返っていないのは在来種のカントウタンポポで、反り返っているのはセイヨウタンポポです。今ではセイヨウタンポポが圧倒的に多く見られるようになりました。セイヨウタンポポは、真冬を除けば、ほぼ一年中花を咲かせ、綿毛を開きます。
帯の作品名は「風の音符」。風を「虹の五線譜」で表現し、綿毛の音符がメロディーを奏でているイメージです。綿毛には贅沢に刺繍を施してあります。
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