ひかりの丘
宮沢賢治の作品に「虹の絵の具皿(十力の金剛石)」というお話しがあります。王子と大臣の子が虹の脚もとにあるというルビーの絵の具皿を探しに行くお話しです。二人は虹を追って「ひかりの丘」までやってくるのですが、そこでは植物たちがすべて宝石として描かれています。
- リンドウの花→天河石(アマゾンストン)
- リンドウの葉→硅孔雀石(クリソコラ)
- 黄色な草穂→猫目石(キャッツアイ)
- ウメバチソウの花びら→蛋白石(オパール)
- とうやくの葉→碧玉(ジャスパー)
- とうやくのつぼみ→紫水晶(アメジスト)
- 野ばらの枝→琥珀(アンバー)や紫がかった霰石(アラゴナイト)
- 野ばらの実→まっかなルビー
まさに鉱物が好きな宮沢賢治の世界があふれています。
帯ではウメバチソウを主役にして中央に配しました。
ウメバチソウの名前の由来は、花の造形が天満宮の紋である「梅鉢紋」に似ていることにあります。金色に輝くティアラ(王冠)のようなかたちの仮雄しべを持ち、その先端には宝玉を光らせるます。ゴージャスなイメージをもたれるかと思いますが、見た目は大変清らかで、可憐で、美しい花です。
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