珠衣「蜻蛉羽の」+名古屋帯「銀河鉄道の夜」
きもの「蜻蛉羽の」はトンボの羽をイメージしたものですが、ここでは光に満ちた宇宙空間に見立てています。
帯は宮沢賢治の物語「銀河鉄道の夜」をテーマにしたもの。柄はお太鼓の左上から旅が始まり、「天気輪の柱」、「北十字(はくちょう座)」と続きますが、「獣の骨」の部分では、これはなに??と見る者の目を引き寄せるでしょう。旅は前(腹)の右上に続き、「さそり」、そして終点の「南十字星」で終わります。宮沢賢治ファンはもちろん、そうでない方にも物語の世界を楽しんでいただけます。
すっきりとした印象の色の組み合わせです。きものに柄はありませんが、暈かしに様々な色が使われているため帯を上手く引き立てます。物語にはリンドウの花やススキがキラキラ輝く光景もありますので、暑さの落ち着いた秋の初めが着る時期としては最良ですが、あくまで物語を主題としていますので季節にとらわれずに着ていただきたいです。
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