珠衣「蜻蛉羽の」+名古屋帯「銀河鉄道の夜」
ロマンやインテリジェンスを演出するために、文様によりストーリー性を持たせることは「とりよろふ」のコンセプトとして最も大切にするところです。それは、本来きものがもっているひとつの文化であるとも考えています。きものもファッションであることに変わりありますが、そこには精神的な豊かさを加味するような付加価値があるように思えます。
帯は宮沢賢治の物語「銀河鉄道の夜」をテーマにしたもの。お太鼓の柄は旅が始まる北十字(はくちょう座)で、前(腹)は終点の南十字星です。宮沢賢治ファンはもちろん、そうでない方にも物語の世界を楽しんでいただけます。
きもの「蜻蛉羽の」はトンボの羽をイメージしたものですが、ここでは光に満ちた宇宙空間に見立てています。
物語は八月下旬くらいの設定になっていると思いますが、リンドウの花やススキがキラキラ輝く光景もありますので、暑さの落ち着いた秋の初めが着る時期としては良いのでしょうが、あくまで物語を主題としていますので季節にとらわれずに着ていただきたいです。
銀河鉄道
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