やますげ考②

あしひきの 山菅の根の ねもころに 止まず思はば 妹に逢はむかも
作者不詳 巻12-3053
あしひきの山菅の根のように心を尽くして絶えず思いつづけたら、妻に逢えるかなあ
「山菅の根の」は「ねもころに」と「止まず」を同音で導く序となっている。
「ねもころに」は現代語の「ねんごろに」と同じで、
- こまやかに
- 念入りに
- 丁寧に
- 心を込めて
などの意味とされる。
この「ねもころに」という言葉の語源は何なのであろうか?と調べてみると、ね=根で、根が密に絡みあう様からきているようである。
やますげは匐枝と呼ばれる枝が地面を這い群生を外へと広げていく。茎葉も密生するが根も凝り固まるように絡みあっている。その様はやますげの根が重要な薬となることから人々の目には馴染んだものとして認識されていたのではないだろうか。「ねもころに」という言葉の序としてやますげの根が使われるのはこう言った経緯があったのではないかと考える。
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