さねかづら考①

さねかづら
さねかづら
さねかづらの実
さねかづらの実

さねかづらは以前はモクレン科とされていたが、今はマツブサ科サネカズラ属に分類される常緑のつる性木本である※。
「サネ」は果実を意味する古語。赤い球状の集合果をぶら下げた様はプレゼントを携えているようで可愛らしい。さねかづらはその実がよく目立つために付いた名前だろう。
しかし、さねかづらはその古名「さなかづら」の音が転じたものともされる。ナは滑(ナメ)のナと解釈され、それは枝に含まれる樹皮粘液によるもので、昔は枝を水に浸して粘液をつくり、紙漉きの糊としたり、整髪料に用いた。別名に「ビナンカズラ」と呼ばれるのはそのためである。このような有用性により人との関わりが強かったにせよ、その独特に愛らしい果実の様が人々の印象として勝ったのは間違いないであろう。

※今までは茎・葉・花などの形を比較して分類されていたが、最近はDNAの遺伝子情報が加味されて新たな分類となりつつある

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