カツラの黃葉
秋も深まり木々の葉が次第に色づき始めました。万葉の時代、葉が黄色くなることを「もみつ」と言い、その葉のことを黄葉(もみち)と言いました。今も昔も、日本では黃葉が圧倒的に多いことがわかります。
そんな樹々の中でも、カツラの黄葉は特に美しさが際立ちます。
万葉歌では、カツラの黄葉は月を伴って詠われています。
黄葉(もみじ)する 時になるらし 月人の かつらの枝の 色づく見れば
作者不詳(巻10ー2202)
木々が黄葉する季節になったらしい。月の男がかざす桂の枝が色づくのをみると
月にあるという中国の伝説上の大きな桂の木を詠んだ歌です。月人は月を擬人化した言葉で、秋の冴えた月光は月の男かざす桂の枝が美しく色づいたからとみています。
近年、カツラは人気の樹木のようで、庭木としてもよく見かけるようになりました。樹容がよく、樹皮は気品に溢れ、ハート型の葉っぱは可愛らしく、、私の大好な樹です。
色づいたカツラの落葉は良い匂いがします。例えるならばパンの匂い。黄葉したカツラの樹の下はパンの匂いで溢れます。お試しあれ♪
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