月の桂
黄葉(もみじ)する 時になるらし 月人の かつらの枝の 色づく見れば
作者不詳(巻10ー2202)
木々が黄葉する時になったらしい。月の男がかざす桂の枝が色づくのをみると
月にあるという中国の伝説上の大きな桂の木を詠んだ歌です。秋の冴えた月光を月の桂が美しく色づいたからとみたもので、万葉人のロマンチックな感性がうかがえます。月にうさぎがいるというのも中国の神話が元になっていて、日本では満月の呼び名の「望月」が「餅つき」の音と似ているため、うさぎが餅をついているイメージが定着しました。
帯では、前に満月を、お太鼓に三日月を配して、暈しで雲を染めました。
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