梅
万葉表記:梅、宇米、烏梅、汗米、宇梅、有米、干梅
梅の花 咲けるが中に 含(ふふ)めるは 恋や籠れる 雪を待つとか
茨田(まむた)王(19-4283)
梅の開花にまじって まだつぼみがあるのは、恋心がこもっているのでしょうか。雪を待って咲こうとしているのでしようか
つぼみの中に恋が隠れていて、雪を待って花開き、恋も咲くという発想が面白いですね。
梅は西暦650~700年頃、日本に渡来しました。まさに、万葉人が生きた時代です。激動の時代、梅は、唐から様々な新しい文化が伝来する中の一つでした。梅は当時の文化人の間で流行になり万葉集には萩の142首に次ぐ122首が載せられています。
梅には「好文木」という異名があります。中国において文学が盛んなときは、梅は花の色、匂いがいっそう深くなり、文学が廃すると色合いも匂いも悪くなるといわれたことによります。いつも綺麗に咲いてくれる世の中であってほしいですね。
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