やまたづ考①

ニワトコ
ニワトコ

やまたづ(ニワトコ) ガマズミ科

君が行き 日長くなりぬ 山たづの 迎へを往かむ 待つには待たじ
衣通王(そとほしのおほきみ) 巻2-90


あなたがおでかけになってから日かずも長く経った。山たづのように迎えに行こうか。待つにはもう待つまい

やまたづはニワトコ(ガマズミ科)のことで別の名を造木(ミヤツコギ)という。ニワトコはミヤツコギのミヤツコが「ミヤトコ」「ニヤトコ」を経て転訛したものとされる。
ニワトコの葉は対生する奇数羽状複葉で、花の付く枝では小葉が3対前後だが、花を付けない枝では5~6対と比較的大きくかたちが美しい。
万葉集では「やまたづの」という枕詞として二首に登場する。「迎え」にかかるものだが、それはニワトコの小葉がきれいに向かい側に対生することによるもので、植物の特徴をよく観察することで生まれた枕詞におもわずにんまりさせられる。
3~5月に円錐状の大きな花序に白い花をびっしり咲かせるが、その姿が鶴に似ている?ことが、あるいは「やまたづ」の名前の由来かもしれない。

やまたづの花
やまたづの花

夏に赤く熟した実は食べられるようだが、虫がつくことが多いので食用にされることは少ないようだ。

ハリーポッターに登場するニワトコの杖はセイヨウニワトコという。

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