生命の樹 扶桑
「扶桑の樹」は、中国の古代神話に登場する「宇宙樹」です。
中国の古い文献には次のような記述があります。
「・・・・・東海の青い海に浮かぶ扶桑という島に茂る、桑に似た巨大な神木。その幹は、二千人ほどの人びとが手をつないで囲むような太さをもつ。樹相がとても変わっていて、根が一つ、幹が二本、この二本の幹はたがいに依存しあい、絡みあって生長する・・・・・」
「・・・・・九千年に一度、小さな果実をつける。この果実を食べた仙人は、金色の光を放ち、空を飛ぶことができる・・・・・」
前漢、東方朔の『十洲記』より
「湯の湧く谷の上に扶桑があり、10個の太陽が湯浴みをするところである。水の中に大木があって、9個の太陽は下の枝にあり、上の枝には1個の太陽が今にも姿を現そうとしている」
『山海経』-「海外東経」より
「山の上に扶木がある。高さは300里、その葉は芥菜(からしな)のようである。そこにある谷は湯谷(湯のある谷)といい、上に扶木がある。1個の太陽がやって来ると、1個の太陽が出ていく。太陽はみな烏を載せている」
『大荒東経』より
扶桑の樹は「若木」とも「博桑」とも呼ばれ、桑の木に似て、生命を産みだす霊力を秘める、不思議な樹木だと信じられていました。
中国からみて東の海上にあるのは日本です。そのため、「扶桑」は日本の別称や美称として使われるようになりました。
絡みあう二本の幹。下の谷からは温泉が湧き出し、10個の太陽を宿す木。太陽が載せているのは日本であれば「八咫烏」と想像しました。
日出る国、日本にふさわしい宇宙樹「扶桑の樹」を私なりの解釈でデザインし、染め上げました。
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