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日常の言の葉
ロゼット
- 2012-01-21 (土)
- 日常の言の葉
東京は昨日、今日と続けて雪が舞いました。日差しがないと寒さが身にしみるこの季節、野に花々が咲きだすのはまだまだ先なのですが・・・ちょっと地面に目を向けてください。
空地や畑、川原、そして道路と壁とのわずかな隙間にも植物たちがへばりつくようにそっと生えています。
冷たい北風を避けながらわずかな太陽の光を精一杯に受け取るために葉っぱを放射状に広げた植物の姿を“ロゼット”と呼びます。
ロゼット葉の中でも、‘ナズナ’は成長段階で葉っぱの形が違い、見ていて飽きません。私の好きなロゼットです。
同じように‘タンポポ’も変化に富んだ美しいロゼットを見せてくれます。
ロゼット葉で冬を越す植物は他にもたくさんあるのですが、成長した姿とうまく結びつかず正体不明なものも多くあります。
観察を続けて行く末を見届けようと心に決めてはみるものの、哀しいかな忘れてしまうんですよ。
霜が降りて白く凍ったロゼットを見ると、なんともいじらしい気持ちになりますが、これは植物の‘たくましさ’であり‘美しさ’なのだととらえた方が良さそうです。
小春日和の日にはみなさんもロゼットを探しに散歩に出てはいかがですか?
とりよろふのロゼットをモチーフにしたきものはこちら
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あけましておめでとうございます
- 2012-01-01 (日)
- 日常の言の葉
あけましておめでとうございます
新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事
大伴家持(巻20-4516)新しい年の初めに立春が重なった。今日降る雪のように ますます良いことよ重なれ。
万葉集の最後を飾る大伴家持の歌です。
私は「あらたしき・・・」ではじまるこの歌が大好きで、お正月には必ず声に出して歌うことにしています。
2012年が幸多き年となりますことを心よりお祈り申し上げます。
今年もとりよろふをどうぞよろしくお願い致します。
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黄葉(もみぢば)
- 2011-12-07 (水)
- 日常の言の葉
いつも目にしている玉川上水の風景。葉っぱが黄色く色づきました。
‘もみじ’は漢字で書くと「紅葉」。でもこれは平安以降のことで、万葉の時代はもっぱら「黄葉」と書かれていました。では、万葉の時代は紅く色づく木は少なかったのでしょうか?
日本はカエデ類が豊富な国だといわれています。おそらく当時もそう変わりはないはず。もしかすると黄変するもみじを美しく思う気持ちが強かったのかもしれませんね。
“黄葉(もみぢば)の”という言葉は「移り」「過ぎ」「あけ」にかかる枕詞です。
見れど飽かず いましし君が 黄葉の うつりい行けば 悲しくもあるか
余明軍(巻3-459)いつまでも見飽きずいらしたあなたが黄葉のように移ろい去っていったので、なんと悲しいことよ
これは失恋の歌ではありません。大伴旅人がなくなったとき、彼に仕えていた役人、余明軍が詠んだ悲しみの歌です。
「移ろふ」というのは、どこか「無常」にも結びつくような、きわめて日本的な心のありようだと思います。
黄葉を見ると日本人は、知らぬうちにそんな想いを起こさせられるのでしょう。
とりよろふの黄葉はこちら
珠衣シリーズ「黄葉の」
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イェライシャン その2
- 2011-12-06 (火)
- 作品づくりの備忘録として | 日常の言の葉
「イェライシャン」という言葉を始めて知ったのはもう今から20年近く前になるでしょうか。
おおたか静流さんの「REPEAT PERFORMANCE」というアルバムに収録された曲「夜来香(イェライシャン)」を聴いたときでした。なんか不思議な調べの曲だなぁ~というのが第一印象でした。
そして、植物園でその言葉の何であるかを知って以来、興味がふつふつと湧き出した次第です。
植物のイェライシャンについてはなかなか情報が集まりませんが、曲に関してはいろいろと新たなことがわかりました。
「夜来香」はもともとは日中戦争のころの中国の歌姫、李香蘭が歌った曲であること。李香蘭は本当は山口淑子という日本人であること。彼女は今のアイドルなど比較にならないほど、超スパーアイドルであったこと。
李香蘭の波乱万丈の生涯についてもっと詳しく知りたい方は劇団四季のミュージカル「李香蘭」がわかりやすいです。DVDも出ているのでどうぞご覧ください。
劇団四季「李香蘭」のホームページ
http://www.shiki.gr.jp/applause/rikoran/
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ムクロジ
- 2011-12-03 (土)
- 日常の言の葉
綺麗に色づいたこの木をご存知でしょうか?
‘ムクロジ’といいます。いまでは数が減り知っている方も少なくなってしまったかもしれませんが、かつてこの木は大変重要な植栽木として、人里の水辺、多くは集落近くの小川に植えられました。なぜか? 理由は写真中央に見える丸い実にあります。下の写真は拡大したもの。
秋に熟すムクロジの実はサポニンを多量に含んでいて昔はこれを洗剤として使ったのです。
現在、石鹸や洗濯洗剤は安価で買うことができますが、江戸時代の頃はまだ一般の庶民が利用できるような品物ではありませんでした。
ムクロジの果皮を水につけておくとサポニンが溶け出しよく泡立ちます。実は乾燥させてもサポニンは変質しにくいので長く利用できます。小川の近くに植えておけば洗濯のとき大変便利だったんですね。
ところで、ムクロジの実の中には黒い種子があるのですが、それはおそらく多くの日本人がよく知っているものなのですよ。わかりますか?
すごく堅い種子なんです。お正月に使うものですよ。
そうです。羽子板遊びの羽根です。ムクロジの種子に染めたニワトリの羽毛を3~4本植え付けて衝羽根にしたんです。カーンという良い響きはムクロジのおかげだったんです。いまは羽子板遊びをする子どもも少なくなりました(いなくなりましたかな)。残念です。失敗したら顔に墨を塗るのが面白い。服についても落ちる墨を使って、もう一度流行らせたいものです。
そのほか、乾燥した実を使ってホイッスルもつくることができます。
ヘタの部分をうまくくりぬいてガラを取ってきれいにすれば出来上がり。簡単です。下唇にヘタの部分をあてて吹くと中の種子が回りながらホイッスルのような音が出ます。面白いですよ。是非やってみてください・・・まずはムクロジの木を探してね。
追記
思い出しました。
昔、泡の出る消火器にはムクロジが使われていました。
また、種子を使って数珠もつくられたそうです。
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